溶け出したかのような開いた口に特徴があるガラスの器。
ややこぶりで日常の食卓の小鉢や菓子皿としても利用できるサイズです。
厚みのあるガラスはオパック(半透明)で、優しい陰影と奥行きをもたらし、小さいながらも存在感溢れる作品です。
作家はグラフィックデザイナー麹谷宏氏。2000年には「国際茶道文化協会」評議員を務めるなど、茶の湯を国内外に広めるイベントの数々に参画し、名誉ソムリエとしてだけでなく、茶人としてのプロフィールも併せ持つ事で知られています。
その氏が1995-1996年に、硝子茶器の菓子器や建水をイメージして制作したシリーズの一つです。
*茶器は畳の上に直接置いて使うので底部に高台は付けていません。
スエーデンの最高級ガラスを原材料に那須の二期倶楽部ビオトープ工房で制作された。作家所蔵の作品、現品一点のみ。
◎ 3枚目の画像は1997年、日本橋高島屋で開催されたガラス作品展での展示例です。
サイズ:開口縦 約17cm、開口横 13cm、高さ 約5cm
素材:スウェーデン製ガラス
色:透明
*金の粒がところどころに散ってい流のは「コージ模様」と呼ばれる麹谷氏独特の作風です。
*麹谷 宏 Hiroshi Kojitani グラフィックデザイナー
1937年 奈良県生まれ
1957〜1959年 早川良雄デザイン事務所勤務
1959〜1966年 銀座・松屋宣伝部勤務
1967〜1970年 フランス・パリのデルピーユ・ストゥディオ勤務
1972年 麹谷・入江デザイン室を設立、主宰
1993年 ケイプラスを設立、主宰
受賞:日本宣伝美術会奨励賞、日本サインデザイン賞金賞、通商産業大臣(現・経済産業大臣)賞、朝日広告賞、毎日デザイン賞、広告電通賞など。また、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団「シュヴァリエ」の称号、日本ソムリエ協会「名誉ソムリエ」、フランス政府「農事功労シュヴァリエ勲章」受勲。茶道文化振興賞受賞。