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TRAITS PARISーとってもパリジャンなアトリエ訪問ー

 
  昨年よりパリから直接仕入れているストールブランド、トレ・パリ。初めてそのブランドデザイナー、バーブラのアトリエを訪ねた時は衝撃でした。パリ14区アレジア通り裏、閑静なコートヤードの一角、エレベーターのない最上階へと息を切らせながら登りつめれば、そこは解放的な白の空間!壁一面にお行儀よく並んだ色とりどりの布は、どれ一つとして同じものはない個性的な色、柄、素材のコンビネーション。スカーフやストールの美しさはもちろんですが、その計算されたディスプレイに、デザイナーの経験に裏付けられたプロフェッショナリズムと知性を感じます。
 

 
  パリの展示会で、いかにもパリジャン!といったデザインのスカーフ、ストールブランドを探していたら、見つけたのがこのトレ・パリ(正確には、ブランド名はトレだけなのですが、パリをつけた方が語呂が良い)。カラフルな色使い、軽くてしなやかな風合い。気取りがないのに十分に質の良さを感じさせる仕上がりの良さ、一目で気に入った私はこのブランドについてもっと知りたくなりました。展示会上にいた販売スタッフでは埒があかないので、直接デザイナーさんにお電話をして、展示会後にアポを取り付けることに成功。
 


 
  展示会でのブースのサイズからしてまだ若いブランドであることは想像がついたのですが、なんて洗練されていて素敵なアトリエ!考え抜かれたキャビネットや引き出し。単に在庫を収納するだけでなく、作品をアートのように見せる工夫があちこちに見られます。ここならバイヤーとの商談もデザイナーの本領を余すことなく披露し成功に導くことでしょう。窓から見える景色も派手すぎず落ち着いたパリらしいオスマニアンな建築群。この辺りが静かな理由は、彼女と同様デザイナーやクリエイターのアトリエが多いせいでしょうか。それにしても最上階だけあって日当たりの良いこと!色を使うアーチストにとって陽の光はとても重要なエレメント、一面に壁を残し両サイドが窓なので晴れた日は部屋一杯に光が溢れます。

 


  シーズン毎の代表的な作品のポスターもストールと一緒にディスプレイされています。人が身にまとうことによって、抜け殻のようにくたっとしていたストールが、魂を吹き込まれたかのようにいきいきして見えるのは不思議です。モデル、ストールはまちまちなれど、最大限の魅力を引き出すこのポージング。ヘアスタイルとストールのバランスといい、モデルさんの目力といい、ラフなようでいて隙のない着こなしが印象的です。この冬は長くて寒い。きっとストールの出番が多いはず!と、メールで「日本の女性はまだまだストールの着こなしが下手と思い込んでいる人が多いの。パリジェンヌのように何気なくかっこよくみせる着こなしを教えて!」とお願いしたら、バーブラから一昨日こんなメッセージをいただきました。

 

 
Comment porter l’écharpe TRAITS,
J’aime porter les écharpes TRAITS d’une manière décontracté et pas du tout ‘rangée’.
C’est-à-dire, je prends  un angle de l’écharpe  dans la main, je laisse tomber le reste de l’écharpe, 
En diagonale et noue l’écharpe deux fois autour du cou.
C’est joli, ça met l’écharpe et les différents  dessins, couleurs  et structures en valeur, 
Elle est plus longue et moins épaisse autour du cou !
Et c’est plus joli et très parisien !
Pour mes écharpes j’utilise uniquement  des matières naturelles et nobles.
Toutes les  écharpes TRAITS sont déjà lavées après le tissage dans notre usine 
Pour leur donner un aspect vivant  et surtout pour obtenir cette douceur et ce gonflant 
 Si caractéristiques pour la marque TRAITS.
C’est pour cette raison que je conseille de ne pas laver les écharpes mais de les mettre plutôt dehors et de les aérer pendant une journée ou une nuit.
Les matières naturelles et nobles  comme la soie, la laine, le coton s’auto nettoient de cette façon bien mieux qu’avec des produits chimiques au lavage. A essayer !
(by Barbara Platte, founder of TRAIT PARIS)
 

どんな風にTRAITSのストールを身にまとうか
私は「きちんと」した感じでは全くなく、カジュアルにラフな感じで巻くのが好き。
どんな風にかというと、ストールの角を手に持って、残りをたらりと落とすの。
落とした布を斜めにそのまま首の周りに2回くるくる巻くだけ。
違った柄や色、素敵な構図が出て、ストールを綺麗に見せられて、
本来のサイズをより長く使うことで首の周りのボリュームを抑えられ、
より美しく、とってもパリジャンっぽい着方になること請け合い!
私のストールは自然で質の高い素材だけを使っています。
工場で織られた後に全て一度洗って出荷されます。
なぜかって?このブランドの特徴である、生き生きした風合い、とりわけふんわり優しい肌触りを残すため。
そのため、私のストールを一度手にしたら、お洗濯はしないで、1日外で風に晒すことをお勧めします。
シルク、ウール、コットンなどの質の高い自然素材は化学薬品で洗うよりもその方がずっといい。
ぜひ試してみて!



  と、まあ訳せばこんな感じなのですが、あまり肩に力を入れず、悩まないので、さらり首に巻きましょう、と言うことに尽きるようですね。何事も経験を重ねることが大切。歌舞伎役者の所作だった、踏み出した一歩が決まるか決まらないかは長年の稽古の積み重ねの賜物。ストール着こなし上手になるにはまずは1日何度も巻いたり外したりを繰り返すことなのかも。そのうち自分らしいこなれた感がきっと出てくるはずです。





  訪問の最後に、アトリエの真ん中に置かれた大きなデスクも拝見。これまたすべて白いカウンターには、大きなディスプレイただ一つと、たくさんの色見本。こんな風に、すっきりとした何もない空間で、色と構図のパターンを、ひたすら一枚の布に仕立て上げていくのですね。macの画面に映っていたのは何通りもの試作品のトレース、図面でした。ストールデザイナーさんのお仕事は、シンプルに見えて、実は哲学や科学にも似た精密さ、厳密さを要求する奥の深〜い一面を垣間見たような気がします。ナチュラルブロンドの彼女は実はドイツ人、几帳面さも併せ持つパリの異邦人。これまでLapidus、ラピデユス、Versaceヴェルサーチ、Hermesエルメス、Helmut Langヘルムート・ラング、Jil Sanderジル・サンダーなど有名ブランドのスカーフ部門でキャリアを積んだ後、1994年に彼女自身のブランド、TRAITSを立ち上げました。
 
Traits
143, Rue d’Alesia, 75014 Paris
Tél. 00 33 (0)145423 -601, Fax -957
traits@wanadoo.fr

(画像は2015年9月に、TRAITS PARIS、バーブラさんのアトリエ&ショールームで筆者が撮影したもの。)