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フランスエコ事情ー都会の砂浜、貸自転車、リサイクルバッグ




  地球温暖化防止の取り組みを定めた「京都議定書」採択から今年で10年。本来なら寒冷地域のはずのヨーロッパも、毎年の夏の暑さ、気温上昇に悩んでいます。パリ市ではここ数年、「Paris Plagesーパリ・プラージュ」と称した、「真夏の間、セーヌ川に砂浜(プラージュ)を設置し、市民や観光客の憩いの場として提供する」という取り組みがあります。未だ古い建物の多いパリでは、簡単にエアコン設置ができないアパルトマンが多いので、パリっ子が皆バカンスに出払った後もパリの街を寂れさせないための粋なはからいです。次回7月後半から8月のパリを訪れることがあったら、ビーサンにサングラス、サンオイルや雑誌を持ってぜひセーヌ川河畔へ。普段とは違ったセーヌ河畔の散歩を楽しめます。

 
パリの貸自転車

 そもそも、地球温暖化とは、何が原因で、どうすれば緩和できるのか?自動車の排気ガス規制はその緩和のための対策の一つですが、ここでもパリ市の具体的な取り組み、Velib (ヴェリブ)は特筆するに値します。パリ市が2007年に始めたこの貸自転車のサービス、市内の主要な観光スポットを中心に無数のスタンドを置き、誰でもスタシオン(駐車場)さえあれば、どこからでも借りられてどこにでも乗り捨てられる画期的なシステムです。市民はもちろん、観光で訪れる外国人も利用できます。交通渋滞を避けるために「できるだけ公共の交通機関を使いましょう」と言っても、バスや地下鉄だけでは小回りがきかないことが多いのが現状、一方のタクシーは費用がかかりすぎます。そんなジレンマを解消してくれるのがこの公共の貸自転車。30分なら無料、こまめにスタシオン(自転車置き場)に戻せばかなり便利でお得な市内観光ができます。

 
マトラマの自転車かご


  実は、この貸自転車、フランス国内でパリに先駆けて一番先に導入したのは、大西洋に面した港町、La Rochelle-ラ・ロシェルでした。この街ではなんと1976年、パリよりも30年も早くこのシステムが存在し、その後パリやリヨンへと広がったのだそうです。ラ・ロシェルは、エルスが初めて日本に紹介したオイスターシェルバッグが生まれた街です。この9月、私が訪れた時にもデザイナーのマリナが誇らしげに波止場の貸自転車置き場を指さして、この街にはパリよりも古くからあったのよと教えてくれました。ただ、ラ・ロシェルで貸自転車を利用するのはもっぱら夏に訪れる観光客のようで、市民は皆さんマイバイクで走るのが当たり前。そう言われてみればバイスクルショップもそこかしこに。オイスターシェルバッグのプロトタイプも、自転車の前かごや荷台に引っ掛けるタイプのショッピングバッグなど、マリナがデザインするかごに色々なヴァリエーションがあるのは、実にこの街の自転車文化に支えられてのことでした。

 

  そしてさらに注目していただきたいのは、こちらSPIバッグ。フランスは、日本ではあまり知られてはいませんが、実はかなりエコロジーに関心が高く、パリ・プラージュ、ヴェリブ(貸自転車)と具体的な対策も行っている国であることは前述の通りです。加えて、大手スーパーではレジ袋の配布を廃止してすでに久しく、エコバッグ、すなわちポイ捨てではない何回も使えるリサイクルバッグが代わりに販売されています。それをクタクタになるまで使い回すのが一般のフランス人、お洒落なパリジャンのイメージとは違う、もう一つの現実的で質素な一面です。リサイクルバッグにはスーパーのロゴが入った単純なものから、かなりオシャレなデザイン性の高いものまで様々あります。その中で、マトラマのSPIバッグは、ヨットの街ならではのユニークなリサイクルバッグと言えます。昨年までは、私ももっぱらオイスターシェルバッグ本体にフォーカスして、中に入れるバッグはインナーバッグ、つまり付属品として販売していましたが、このSPIバッグも単体で使えるかなりユニークなバッグなのでは、と最近ようやく気づくに至りました。

 

  このインナーバッグ、改めSPIバッグは、ヨットの帆と同じ、スピンネーカーという素材で作られています。さらに厳密に言えば、このスピンネーカーファブリックというのは、「ヨットのマスト前方に張る半球形の軽くて大きな帆」に使われる布のことで、追い風の際、キリキリと潮風に揉まれる中、海上の船の舵をとる大切な帆に使われる新素材なのだそうです。それだけに薄くて軽くてとても丈夫です。特に引っ張り強度に優れているため、この素材をアウトドアグッズに利用するメーカーも多数あり、あのイタリア、ヴェネト州ヴィチェンツアに本社のある、世界的な人気バッグブランド、BOTTEGA VENETAでも、スピンネーカーファブリックを使ったトートバッグを出しています。
 
 
  こんな風に肘にかけてハンドバッグとして、あるいは肩がけでショルダーバッグとしても。ストラップの長さは二重で短め、一重で長め、調節も出来ます。これなら荷物の多さやお洋服にも合わせて持ち方も変えられます。インナーバッグとして使うときには、ハンドルのチューブをそのままオイスターシェルバッグの角に引っ掛けることでピタリと収まる仕組みです。

 
 
   使わないときはくるくる丸めて押し込んで、こんな感じ。予備にもう一個カバンに入れておけば、お買い物でお荷物が増えたときにすぐ対応できます。
  
   旅先で不意に荷物が増えたとき、急な雨に見舞われたときには便利この上なし。オイスターシェルバッグだけ買って、このインナーバッグを使わないって、それはあまりにも勿体ない!どうぞ、くれぐれもお買い忘れのないように。


 
 
 
  補足)マトラマでは、シェルバッグを自転車に取り付ける装具を販売しています。
前につけるか、後ろに付けるかで装具のタイプが異なります。